こばし鍼灸(掃骨)院 | 日記 | #6.《蓄膿症/セルフ治療の例》→JFIR

キズを以って傷を制す。線維芽細胞たちの再性能を最大限に活かす《鍼は世界で最も小さな外科処置》

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こばし鍼灸(掃骨)院 の日記

#6.《蓄膿症/セルフ治療の例》→JFIR

2019.04.06

                                                                              リンクボタン

「もう一つの受け皿 JFIR日本病巣疾患研究会」
ーーさるフォーラムでの対話ーー
小橋正枝(2018/10/24
元記事~~~~~
 今年私は、JFIR 日本病巣疾患研究会にご縁を頂いたことがきっかけで、

ず~っと求めていた器質的な問題に、少し漕ぎ着けたような気がしています。 
 蛇足乍ら、二十数年前の話。 

 子供らがまだ小学校低学年の頃、二人の娘がとっかえひっかえインフルエンザを
持ち帰り、看病疲れの私はひどい蓄膿症を患ったことが有ります。 
 子供らの序でに耳鼻科で見て頂きましたら、お医者の顔色が変わりました。
レントゲンも撮り、通院し、指示通り薬を飲みましたが限度を越えていたらしく、
「危のうてブジーも通されへん」「このまま放っといたらガンになる、腫瘍になる」
「こんなきつい薬、また出さんならん❢❢❢」と叱り飛ばされました。 
 
 夜な夜な子供らの寝顔を見ながら、「どうせ死ぬのなら…」と有り合わせの、
最も長くてしっかりした中国鍼で、鼻腔をプツリプツリと直に掻把して行きました。 
 始めは「鼻腔って狭いなぁ。解剖図って嘘ばっかり。」と思いましたが、
一週間ほど
かけて夥しい血ヘドロをボタボタ出したところ、
「あら~、解剖図通り鼻腔は三段構えの
袋戸棚だ。」と言う事まで解かって
きました。

 掃骨鍼法と刺絡療法を手土産に、一月ほどで黄泉還りました。
 
 そのことを通して、今年はJFIR 日本病巣疾患研究会の資料を学ぶことが出来、
もう一つの受け皿にならないかしらと考えています。

*JFIR 日本病巣疾患研究会とは 
  JFIR 日本病巣疾患研究会HP《上咽頭炎治療の理論と実際》   
 次の学術集会、御目文字を楽しみにしています。宜しくどうぞ。
                              こばし鍼灸院  小橋 正枝

P/S① 掃骨鍼法を試みて下さる鍼灸師方に
 複数の鍼法を体験された患者方からのフィードバックによりますと、
「『其処っ❢』と言うポイントになかなか当てて貰えない」と仰います。
  では、病巣は何処にあるのか…。
 それは(下図)が参考にならないでしょうか。
  また病巣には、通気性の悪いサランラップの様な樹脂化した膜に覆われている
感触が有ります。

掃骨鍼法はそこに風穴をあけて、白血球達にお掃除してもらうイメージです。
 我々が直視出来てコントロールできる病巣は例えば口腔ですが、齲蝕・歯周病・
歯石沈着の感触は、体内の掃骨鍼法/骨格ケレンに活かすことが出来ます。 
 呉々も申しますが、優しい治療で事足りる方に必要な治療法ではありません。
が、私は広いフィールドの、この一隅でがんばっています。宜しくどうぞ。

P/S② 下図は腎臓専門医の堀田修Dr.が提供されているシンチグラフィーです。
 先生は、慢性上咽頭炎が全身に及ぼす影響と捉えていらっしゃるようですが、
現場を足で稼ぐPolice的鍼灸師の見解は、頻用する筋の起始部・停止部・付着部は
大なり小なり損傷が先行していると確信しています。その意味で、脊柱が黒々と
写っていることにも、至極納得が行くのです。
      



「もう一つの受け皿JFIR」へのQ/
投稿者 : Kk on 2018/12/12  

小橋先生へ
 こんばんは、Kkです。
中国鍼で鼻腔を刺した様子をもう少し詳しく教えて下さい。
先生が掃骨と刺絡と言うのですから、中国鍼を単刺して排血したのではなく、中国鍼で
鼻腔を掃骨したのであれば、その手応えと、痛みはどのようなものだったのでしょう?
 さらに、1週間かけておびただしい血膿?を出したというのは、毎日一回鼻腔の刺鍼を
繰り返したと理解して良いのでしょうか?それとも、日に何度もやったのでしょうか?
 さらに1ヶ月ほどでよみがえったというのは、1週間の排血後、次第に経過が良くなり
回復したと理解してよろしいでしょうか?
 その間耳鼻科から出された薬は飲んでいたのでしょうか?それとも、鍼だけで
良くなったのでしょうか?
参考にさせていただきたいので、よろしくお願いします。

「もう一つの受け皿JFIR/蓄膿症のセルフ治療」
 投稿者 : 小橋 正枝 on 2018/12/16 

Kk先生、お問い合わせを実に有難うございます。
 当時は未だ鍼灸師としても駆け出しの頃で医療人としての心得も希薄で、前述の
ご報告はただの思い出話と位置付けられるかも知れませんね。
 けれど、この体験がその後、徹底した鍼治療(掃骨鍼法)と刺絡療法に至ったことに
間違いは有りません。
 これ程の重症には、もう2度と致しませんが、風邪を引いたときなどに小さな再現は
お見せすることは出来ます。

>中国鍼で鼻腔を刺した様子を……。
⇒体表からのツボ刺激では、黄ばんだ鼻汁が少し出る程度。腫上った病巣に対抗できかねて
「直接に」と言う実力行使に及びました。

>先生が掃骨と刺絡と言うのですから、中国鍼を単刺して排血したのではなく、
中国鍼で鼻腔を掃骨?
⇒第一段階では、「中国鍼で鼻粘膜を単刺して排血…」と言えるでしょう。

>その手応えと、痛みは?
⇒治す自信が有ってのスタートではありませんでしたから、切皮の段階では不安があり、
かなり痛かったと記憶します。
けれど、汚いナメクジ様の“敵”を仕留め、目にすることで代償が出来ました。

>さらに、1週間かけておびただしい血膿?を出したというのは、毎日一回鼻腔の
刺鍼を繰り返したと?
⇒はい。この状態は1週間ばかり続いたと記憶します。
この頃、義父母も倒れていましたから、主婦業を蔑ろに出来ません。
 そこで皆が寝静まったころ、子供らの寝顔を見ながら、「死ぬわけにはいかんぞ~」
と、夜な夜な1時間ほども格闘した訳です。

>さらに1ヶ月ほどでよみがえったというのは、1週間の排血後、次第に経過が良くなり
回復したと……?
⇒はい。これを第二の段階として、いよいよ《掃骨鍼法》で仕上げが出来始めたと思います。

>その間、耳鼻科から出された薬は飲んでいたのでしょうか?それとも、鍼だけで?
⇒当初はまだ鍼灸にも自信のない頃でしたから、同居中の義父母との葛藤がありつつ、
通院・内服の指示を最優先にしていました。
 が、極め付けはお医者の「こんなきつい薬、(どんなお薬だったかは今となっては
調べ様が有りませんが)また出さんならん❢」の一言でした。
 袋には『高貴薬』と朱印が押してありました。

「通ってもアカン、薬も効かん……。
私はガンになって、腫瘍になって死んじゃうのかなぁ…」と。
 開き直った処に出てきたのが、0.6㎜径×100㎜長(程度だったと思います)の
中国鍼でした。これで掻把することで薄紙・厚紙が剥がせると解かったのでその後は
お医者には行きませんでした。

 第二段階で骨格を認識出来、治ると言う確信も持て、鼻中隔にへばり付いた
石灰沈着様の異物も削ぎ落とす勇気も出て、すっかり黄泉返りました。
⇒結果的に掃骨と刺絡を同時に行ったことになりますが、ご参考になりますか?
 今後、歯科・耳鼻科に限らず、病巣を直に扱われる先生方のお知恵・お力を
お借り出来れば誠に幸いです。
 ご指導ご鞭撻のほどをどうぞよろしく宜しく。 
         ドン・キホーテの痩せ馬こと こばし鍼灸院 小橋正枝

「もう一つの受け皿JFIR/蓄膿症のセルフ治療」

 投稿者 : Kk on 2018/12/16 

 小橋先生へ
 大変詳しいご返事をありがとうございます。しつこい質問に丁寧にお答えいただき
恐縮しています。詳細が良く理解できました。ありがとうございました。

 実は私が玉川病院で研修を受けていた頃、毎週行われていた症例検討会で、
扁桃炎になった先輩が自分で扁桃に鍼を刺して放血したところ、急速に治った自験例を
報告したことがありました。
 当時は、クリスマスイブにうら若き乙女が、自分の喉に鍼を刺していたことを
気の毒に思うだけで、特殊な事例として片付けていました。

 ところが今回小橋先生の思い出話し?を拝読して、そのエピソードを思い出した
次第です。当時は詳しい話しを先輩から聞き出すこともなくスルーしてしまったので、
今回はどうしても体験者に詳細を伺いたくて、しつこい質問をさせていただきました。
 以前「慢性頭痛を治すには喉の奥をこすって血を出すと良いそうだ」という話しは
耳にしていたのですが、自分がやれるものではないので、それ以上追求していなかった
のですが、今回堀田先生のご本を読んでみると、頭痛を治す特殊療法の話しではなく、
慢性感染巣が引き起こす全身への影響について論じていることなのだと分かりました。

 実は私は数年前に扁桃腺を摘出しました。子供の頃から喉の奥が見えないほど
腫れていて、常に腺窩に膿が固まっているような状態でしたが、切るのが怖くて
ずっと温存していました。ところが、息子が扁桃腺炎のせいで睡眠時無呼吸があり、
授業中に寝てばかりいる子だとしていじめられていたのを、同級生のお母さんから
知らされ、扁桃を摘出してもらいました。以来、すやすやと熟睡する息子を見て、
自分も切ることにしたわけです。
 長年炎症を繰り返してきた扁桃を切ったので、術後の回復に時間はかかりましたが、
その波及効果は絶大で、慢性の扁桃腺炎が無くなったのはもちろん、慢性副鼻腔炎、
アレルギー性鼻炎、睡眠時無呼吸症候群による日中の睡魔、易疲労、腎機能の低下などが
解消し、大変丈夫になりました。

 こうした経験の後、慢性の蕁麻疹がひどく、ステロイドを止められない為に
妊娠できない方の相談を受け、慢性扁桃炎が原因で蕁麻疹が治らないのかもしれないから、
私の扁桃を切ってくれた耳鼻科の先生に相談してみることをお勧めしました。結果として
扁桃摘出手術を受け、蕁麻疹は治り、ステロイドを止められて妊娠出産に至ったケースが
ありました。
 そこで、慢性扁桃炎で多彩な身体症状を呈していると思われる患者さんは耳鼻科に
紹介し、皆さん良い結果を得ています。

 そんなこんなで、慢性の炎症巣を温存しておくことの悪影響について、軽視しては
いけないと考えており、小橋先生の体験談を契機に「もう一つの受け皿」としての
慢性炎症巣の問題、さらにはモヤモヤ血管、そして瘀血症について考えてみる価値が
あると思っています。
  鍼灸師ができる事できないことはありますが、そうした病態があることを論じ
学んでおくことは、臨床家として大事なことだと思います。

「もう一つの受け皿JFIR/蓄膿症のセルフ治療

 投稿者 : 小橋 正枝 on 2018/12/17 
 
>玉川病院で研修……毎週症例検討会……。
⇒医道の日本(でしたか?)で、その様子が紹介されていましたね。
迷える子羊真っ只中の私には、山の彼方の空遠く…で、そこは憧れの存在でした。

>扁桃炎になった先輩が、自分で扁桃に鍼を刺して放血、急速に治った……。
 当時は詳しい話を聞き出すこともなくスルー。今回はどうしても体験者に詳細を
伺いたくて……。
⇒若さゆえに見えないことって有りますしね。
 私も今は、活動している年長者には積極的にお話を聴きたい衝動に駆られます。
 この頃にPC(いまだに一本指打法です)が使え、インターネット出来ていれば
《第一次Bスポット療法時代》に参加できたかもしれませんね。

>実は息子が扁桃腺炎を摘出…すやすやと熟睡……。で、自分も切ることに……。
⇒アハハ、親子ジェンナー。

>長年炎症を繰り返してきた扁桃……術後の回復に時間はかかりましたが、
 その波及効果は絶大。
・慢性副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・睡眠時無呼吸症候群による日中の睡魔
・易疲労・腎機能の低下などが解消・大変丈夫に……。
⇒JFIR のHPなどに記される通りですね。
 私も頚部は丁寧に解しますが、気道・食道部分までのアプローチは流石に
憚られますので、考慮が必要な場合はご専門を紹介するようになりました。
肩の荷がかなり軽くなりました。

>鍼灸師ができる事できないことがあり……
⇒仰る通りですね。また、導入の時期も考えねばならないようです。
数年前、「《鍼・火鍼・刺絡》を駆使なさる西田晧一Dr.(高知県在住)を招いて
下さい」とお願いしたことが有りましたが、とりわけ刺絡に関しては
「グレーゾーンである」「時期尚早である」等のご意見から、今のところ、
患者方と私とで、草の根方で二人三脚しています。
 興味をお持ちの先生方は、各自で追っかけをしていらっしゃるようです。
これも何れ、重要な受け皿として検証される時が来るだろうなと、
楽しみにしています。 やはり長生きせにゃ~❢と思っています。
                        ドン・キホーテの痩せ馬

もう一つの受け皿JFIR/蓄膿症のセルフ治療
 投稿者 : Kk on 2018/12/17 
 
 確かに刺絡や掃骨鍼、火鍼などもグレーゾーンと言えばグレーゾーンかもしれませんね。
ならばこそ慎重かつ冷静な議論ができれば、多くの人にとって有益だと思います。
大事なことは、問題が片付いていない患者さんの愁訴から逃げないで、解決策を
模索することですよね。議論にまで足枷手枷をはめ過ぎると、誰のための医療なのか
分からなくなります。

もう一つの受け皿JFIR/グレー域は自ら突破しておいて…

 投稿者 : 小橋 正枝 on 2018/12/18  

何度でも申しますが、とりわけ遠慮がちな鍼灸師諸兄に。
 多くの先生方も、夫々に”珠玉のドラマ”に似た症例をお持ちの筈。
「伝えたくても、言う事も書くことならん❢」と、外部では規制が掛かっているらしい。
けれど、我々は有難いことに、こちらでは何度でも練り直して頂ける。 
例えば掃骨鍼法。
 お言葉ですが、これは決して『グレー』ではありません。
私がこちらに席を頂いてから間もなく、木村先生はじめ小林先生、山下徳次郎先生方が
十分検討して下さいました。
 で、私としては、胡散臭い印象の名称も変えて頂きたいと申し上げたことが有りました。
 そのころ、既に《隙間ブロック》と言う注射法を開発していらした木村先生が、
「掃骨鍼法…面白いじゃないか。名称を変えねばならない理由は何?」と、逆に問うて
下さいました。
 もとより私メに依存は有りませんでしたから、現在も「掃骨鍼法」の名称も技術も
憚ることなく闊歩(?)しているという訳です。

 で、これは「隗より始めよ」の一例にすぎませんから、先生方夫々の体験をこちらに
持ち寄りませんか?
 とりわけ鍼・灸(火鍼)・刺絡に関しては、東洋医学という傘の下で育っているため、
理学療法士さんの様にお医者方にツーカーとは参りません。
 ですから、加藤先生が仰るように、
>グレーゾーンであるならばこそ、慎重かつ冷静な議論ができれば、多くの人にとって
有益だと思います。大事なことは、問題が片付いていない患者さんの愁訴から逃げないで、
解決策を模索すること。
 議論にまで手枷足枷をはめ過ぎると、誰のための医療なのか分からなくなります。

➡そうですよね。
 ここでの議論は『持ち出し禁止』と言う結界の中で、「素っ頓狂」と思えるような
症例までも持ち寄り、忌憚なく語り合う。 そうすることで、先生方の技術や心意気まで
伝え合う事が出来る。
 大いに技術交流をして、体験をして、症例を積み、日の目を見る時を待ちましょうよ。
                            ドン・キホーテの痩せ馬

もう一つの受け皿JFIR/グレー域は自ら突破しておいて…
 投稿者 : Kk on 2018/12/18 21:05
 
 素っ頓狂な症例でも否定することなく議論の俎上に載せるには、チカラがあって
懐の深いアドバイザーの存在と、アドバイザーに負担がかかりすぎないように議論
し合えるバランス感覚のあるメンバーが必要になります。

 この会にはそうした先生方がいらっしゃるので、これまでも実りある議論が
できてきたことに感謝しています。
 また、インターネットという新しいテクノロジーを使った情報交換がうまく
行かないことが多い中で、お手本のような対応を見せていただけることも私にとっては
重要な学びとなっています。

 私もバランス感覚を磨きながら、実りある議論や情報交換をしていけるように
励みたいと思います。

 とくに私がこの会に期待していることは、他職種連携のモデルケースになることです。
これまで行われてきた他職種間における議論はその萌芽と言えます。
また、医道の日本12月号に投稿された奥山陽太先生の「医接連携により早期に疼痛緩和
に至った外側椎間板ヘルニアの1例」と題したご報告は、MPSという共通認識を
媒介とした他職種連携のモデルケースと言えます。
こうした連携が各地でスムーズに行われるための下地作りが大事になってきます。
それについては別のトピックスを立てる必要があると思うので、いずれ挑みたいと
思います。

 このトピックは「患部への直談判」なので、私が語れる体験談は先に紹介したぐらいです。
刺絡や湿吸についてならいくらか紹介できます。準備をしますのでお時間下さい。

一つの受け皿JFIR/「時は今❢」だと思いませんか?

 投稿者 : 小橋 正枝 on 2018/12/19 


Kk先生、ご報告心待ちにしています❢ 
 そして、皆さま方も、どうぞご意見をお寄せ下さい。お知恵・お力をお貸し下さい。
Yesばかりではありません。失敗談だって大事ですし、それをどう解決すればよいかも。

鍼灸師各位にもう一つご提案。
 フォーラムの『プロフィール欄』を完成させて下さいませ。
最近「メインメニュー➡プロフィール➡メンバーの検索」の『職業』と言う欄に
「鍼灸師」と入れて検索してみました。何と、26名しか挙がってきませんでした。
そんなはず有りませんよね❢
 ご活躍の理事・役員方の活動は嫌でも(❢)目に入りますが、我々も夫々の立場から、
地元の患者方をご紹介したいことって有りますよね?
その為にも『プロフィールの編集欄』に、得意技を含めて自己紹介なさって下さいませ。
     (ババアが一人焦ってるなんて思わずに、宜しくどうぞ。ホホホ…)
                             大阪のhari-bahba 

Re:JNOS+もう一つの受け皿JFIR/「時は今」だと思いませんか?
 投稿者 : Kk on 2018/12/19  

 私は日常臨床で刺絡(しらく)と湿吸(しつきゅう)も使いますが、どちらも患部の
近くにある血絡(けつらく)を1~2カ所刺します。内圧が高まっている場合は、
自然に流れ出て自然に止血しますので、ティッシュを当てておきます。
血絡がやや深いところにあって刺しても出にくいときは、吸い玉で吸引します。

 皮膚をランダムに刺してから再度吸い玉を付けてやる瀉血療法は昔やった時期も
ありましたが、鍼の腕を上げるために鍼以外の治療法を控えるようになってからは
止めています。30年間鍼のみでやってきたので、そろそろ他の治療法も解禁しようと
考えているところです。

 刺絡がどうしても必要だと思うケースは、自発性の鈍痛です。これが見られた場合は
痛みを訴える部位周辺と経絡上の血絡を探し、先に述べたような方法で血を出します。
腰下肢痛に使うことが多いです。

 刺絡は治療の一番最初にやります。というのも、太い血絡ならいいのですが、
細い血絡は鍼治療をすると見えなくなってしまうことが多いためです。鍼治療により
内圧が下がるのだろうと思います。

 血絡=内圧の上昇による側副血行路だろうと推察しています。というのは、まぶたが
ごろごろする時に頬の上にある血絡を刺して放血すると、途端にまぶたのゴロゴロ感が
消えるのをよく観察するからです。眼周辺の内圧が高まって、まぶたの裏の血管が
怒張してゴロゴロ感が出ているのではないかと推察しています。眼瞼近くからの
放血でその内圧が下がり、血管の怒張が引くために起こる現象ではないかと考えて
います。あくまでも推察です。

 足のしもやけからの放血は良くやる方法です。この場合は血絡ではなく真っ赤に
鬱血しているところをチョンと刺します。これは手で絞ります。その効果の高さは
鍼灸師ならどなたも経験済みだろうと思います。

 最近ではヘルニアを疑う患者さんの痛みが強い場合に湿吸を使っています。
鍼だけの治療よりも鎮痛効果は高いようです。

鍼灸師以外の先生方のために用語を解説します。

血絡は皮膚表面に浮き出ている毛細血管のことです。
刺絡はその毛細血管を刺して血を出す行為です。昔は三稜鍼(さんりょうしん)という
専用の鍼を消毒して使っていたものですが、今はディスポの注射針で代用しています。
吸い玉は弁のついたガラス性のコップを陰圧にして皮膚に吸い付かせる治療法です。
吸角(きゅうかく)カッピングなどと呼ばれています。
湿吸は血絡を刺して吸い玉で吸うこと。皮膚に傷を付けて吸い玉で吸い、大量に血を
出す方法も含まれますが、私はそれを瀉血と分けて呼ぶことにしています。

さて、いわゆる瀉血についてですが長くなるので、項をあらためます。

もう一つの受け皿JFIR/「時は今」だと思いませんか?

 投稿者 : Kk on 2018/12/20  


 実は私の両親は生前バンキー治療(吸い玉治療)をやっていたので、色素反応
(吸い玉を付けたところが赤く色付くこと)が強く出たところの瀉血は良くやっていた
ものです。
 凝りや痛みに即効するのを目の当たりにしていたので、発痛物質を抜き去っている
のでは無かろうかと推察しています。経験的には瀉血量がある程度多い方が効果が
高かったように感じています。

 なので、刺せば沢山出血しそうな処を選んで刺していました。ポイントは色の濃さと、
皮膚の盛り上がり具合です。
赤紫に色がついた上、吸い玉を外しても皮膚が盛り上がったままの処は良く血が出ます。
 これは吸い玉を使ったことがある先生には常識だろうと思います。

 私が余りこうした方法を使わなくなった理由は、即効性があるので、患者さんの方が
鍼よりも瀉血を希望してしまい、鍼の効果の限界点が学べなくなるからと、患者、
治療者双方の瀉血効果に対する依存性が増して、何でも先ず瀉血。というパターンに
陥りがちになるからです。逆に言うとそのぐらい良く効くということです。

 私の父が頭痛持ちで、風池(ふうち、後頚部にあるツボ)からよく瀉血をしていた
のですが、やり過ぎて極度の貧血になり、内科医の叔父からきつく止められたことが
ありました。
 本人は瘀血=汚血&古血&悪血と認識していたようで、頭が痛いのは汚血が
溜まったからだと思い込み、痛みが止まるまで瀉血を繰り返していました。
家族が止めても聞く耳を持たなくなっていました。

 こうした経験があるので、肝心なのはその場での変化ではなく、診断であり、
治療の必要が無くなる解決策であると考えています。それを前提とした上での
瀉血療法の議論が重要だと考えています。

 井穴刺絡については経験が少ないので、多用されている先生がいらしたら是非
その勘所を教えて下さい。
ちなみに代田文彦先生の経験談で、狭心症で救急搬送していた患者さんに井穴刺絡を
したら、救急車の中で快復してしまった話しを伺った事があります。
指先の刺激による
反射で冠動脈が広がったのだろうと推察されていました。寒い中走る
マラソン選手が
手袋をするのは心臓の血流を良くするためだともおっしゃっていました。

 ところで小橋先生は、吸い玉による水疱反応のご経験はありますか?
もしおありでしたらどう捉えておられてますか?

もう一つの受け皿JFIR/「時は今」とは…

 投稿者 : 小橋 正枝 on 2018/12/20 


Kk先生。
 日々真剣に取り組んでいらっしゃる様子が良く解かります。症例を沢山お持ちなのですね。
矛盾したことを申しますが、先生はここまで到達していらっしゃるので、どうぞ慌てないで。
先生の前述のご報告には、私の頭を整理しながら私なりの思いを書き込んで参ります。
殆どは”Oh,yes❢”です。

 一方、それだけ有効な方法で在るが故に、何処からもクレームの付かないよう、
皆さまのお知恵をお借りして行かなければなりません。我々は症例を纏めつつ、
じっくり準備を致しましょう。

「時は今❢」と書きましたが、少し慌てて頂きたいのは、せっかく会員になっていながら
他所を向いてしまっている方々です。
 そんな方にも、偶にはこのホームルームに戻って下さるよう、Facebook等で
呼びかけてみようと思っています。 宜しくどうぞ。     大阪のhari-bahba 


もう一つの受け皿JFIR/「時は今」とは…
 
投稿者 : Kk on 2018/12/20 

 小橋先生へ

 先生はここまで到達していらっしゃるので、どうぞ慌てないで。
→ご心配ありがとうございます。到達ではなく、道草です。還暦を機に溜まった
経験を
放出しようと思っているもんですから。


 少し慌てて頂きたいのは、せっかく会員になっていながら他所を向いて
しまっている
方々です。

→大丈夫ですよ。最初の書き込みに160人ぐらいの方が反応され、今でも
約30人ぐらい
の方がこのやりとりをフォローされているのですから。


 この会に参加されている鍼灸師の先生方は、お若い人が多いと思うので、
雑多な
経験が少ないかもしれません。私は鍼灸の道に入って40年近くになるので、
民間療法も
含めて様々な治療法を見、様々な治療者にも会ってきました。
でも今の鍼灸の先生方に
そうした怪しい経験を積むチャンスはあまりないのでは
と思います。


 とくに瀉血に関する経験は少ないでしょう。昔は蛭付けなんて巷で盛んに
やられていたし、
市民権を得ていました。そのうち血液感染症が問題になり、
注射針がディスポ化され
始めたのが1970年頃で、鍼灸鍼のディスポ化を
推進したセイリンは1978年設立です。


 でも私が鍼灸の道に入ったこの頃は、まだまだ注射器も鍼灸針も煮沸消毒を
して
いました。それから高圧滅菌が一般化し、その後ガス滅菌ディスポ化が
普及しました。

 当院のディスポ化は1991年です。セイリンと組んで山形国体で国体初の
針ボランティアを
成功させ、ディスポ針の普及に一役買ったのが1992年でした。


 なので、若い先生方はこの話題に加わりにくいと思います。まずは私たちの
経験を
語り、集めた情報を並べるところから始めましょう。臨床家にとって、
今目の前にいる
患者さんの問題以外は後回しなので、「もう一つの受け皿」が
必要となるところまで
来ている人に情報が届けばそれでOKです。   Kk

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#6.《蓄膿症/セルフ治療の例》→JFIR

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