こばし鍼灸(掃骨)院 の日記
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⑲尿路結石、食事で防ぐ―海藻や果物、多めに
2012.06.16
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おしっこの成分が結晶になり、ときに激しい痛みを伴う尿路結石。
患者は増え続け、国内の男性の7人に1人、女性の15人に1人が一生のうち
1度はかかるといわれる。
最近は再発を防ぐための手段として、食事を中心とした生活習慣の大切さが
注目されている。
「ホウレンソウはちりめんじゃこ、タケノコはワカメと一緒に食べてください」。
大阪府の市立貝塚病院。看護師の西川貴子さんらが患者一人ひとりの尿成分
の分析結果を踏まえて、再発予防に向けた食事の指導に力を入れている。
患者の占部洋幸さん(58)は、卵や肉や魚の内臓はなるべく避けて、野菜を
たくさん取るよう心がけている。
「石はほんま痛い。痛さを思い出しては気をつけています」。
食事指導を受けてから、結石ができる頻度が減ったという。
ホウレンソウやタケノコといった食品は、石をつくるシュウ酸を多く含む。
でもカルシウムを一緒にとれば、腸で吸収される前に結合して多くが便として
排出される。 指導ではそんな情報を伝える。
尿が濃くならないよう、1日2リットル以上の水分を取ることも大事だ。
結石が溶けやすいように尿をアルカリ化する海藻や果物、野菜をなるべく
とり入れるといった注意で、再発のリスクを下げることができる。
尿路結石に一度なった患者の半数近くが5年以内に再発しているとされる。
貝塚病院医療監で、日本尿路結石症学会などの診療ガイドラインづくりにも
かかわる井口正典医師は、男性患者およそ200人を対象に食事指導と
再発率との関係を調査した。
水分を多く取ることだけを指導した場合、3年後に7割近くが再発していた。
食事指導を加えると3年後で2割、8年後でも4割ほどの再発率にとどまった。
再発を減らすための薬はあるが、長期にわたって処方し続けてもらわなければ
ならず、次第に飲まなくなる人が多いという。
井口医師は「結石は再発を繰り返すと腎臓の機能が下がる。食事やライフ
スタイルの見直しがとても大切だ」と話す。今では多くの泌尿器科医が食事指導
に取り組んでいて、患者の約6割が指導を受けているという。
結石予防のポイントの多くは、肥満症や高血圧といった生活習慣病を防ぐ
注意点とも重なる。
患者の大部分を占めるカルシウム結石や尿酸結石は、高カロリーや高脂肪
といった食生活が原因の一つとされ、患者で糖尿病や脂質異常などもかかえる
人は多い。
結石の種類によっては、少数だが生活習慣ではなく遺伝的な原因が強かったり、
特定の薬の多用が原因になったりして、治療や予防法も異なる。
学会理事長で金沢医大の鈴木孝治教授は「石が出たら泌尿器科に持ち込んで
分析してもらった方がいい」と話す。
●内視鏡使って粉砕
主に腎臓でできた石は、尿管に落ちてくる。
専用の装置で体外から衝撃波を当てて石を砕くESWLという方法が1980年代
半ばに国内に導入されて以来、治療の主流になってきた。
それまでの手術と比べて患者の負担は大きく減ったが、衝撃波で他の組織を
傷つける心配が残る。砕いた破片は、自然に出てくるのを待つしかなかった。
一方ここ数年、内視鏡を使ったTUL(経尿道的尿管砕石術)という治療法が
広まってきた。細い管を尿道から入れて先端に付いたレーザーで石を粉砕。そのまま破片を
回収して、体外に取り出せる。
「石の大きさなど次第でだれにでも適用できるわけではないが、石を確実に
取り除けるTULは患者の満足度が高い」と鈴木教授。金沢医大病院では、
ESWLとTULの治療数はほぼ同数という。
自然排石を早めるα1ブロッカーという薬の治験も進んでいる。海外で効果が
認められ、国内でも順調にいけば数年以内に、この薬が10ミリ以下の結石への
選択肢になる見込みという。
オババ考~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
我々鍼灸師は、日々、鍼と云うアンテナで生体にアプローチしている。
施術者が触診でキャッチするポイントにも、患者方が自覚症で指し示す局所
にも、必ずと言って良いほど“石灰沈着様の異物、齲蝕様の傷”を触知できる。
我々は、その病巣を細かく掻破することで生体 (おそらくは、マクロファージや
線維芽細胞たち)が組織の再構築を果たしてくれていると想像する。
この「結石予防の心得」は、彼らが働きやすい環境を作り出す指標でもあり、
自然治癒力を増すことにもなるのだろう。
そして我々の鍼灸療法は、“リズナブルなキズを以って有害な傷を制す”ことの
出来るいわば自然農法!
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