こばし鍼灸(掃骨)院 の日記
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24. 【EBM(根拠に基づく医療)の定義とは】
2012.06.29
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【長谷川 淳史先生(TMSジャパン)の世界情報】より
「医療はサイエンスに支えられたアートである」という医学教育の基礎を
築いたのはウイリアム・オスラー。 これを日本に導入したのが、偉大な医師、
聖路加病院の日野原 重明先生。
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【エビデンス取り扱い上の注意】
エビデンス(科学的根拠)を知ったからといって、必ずしもよい医療が できるとは
限りません。エビデンスを最優先し(俗にいうエビ固め)、 それを患者さんに押し
付けるのは暴力行為(ドクターハラスメント)です。
そもそもEBM(根拠に基づく医療)の定義は、
①「エビデンス」
②「患者の状況」
③「患者の価値観」
④「治療者の技」 の四つを統合することです。
したがって、エビデンスは全体の4分の1でしかない ということを肝に 銘じて
いただきたいと思います。 エビデンスは必要条件であっても、けっして十分条件
ではないのです。
私が、ここで腰痛の原因と治療に関するエビデンスを公開する理由は、 腰痛に
まつわる迷信や神話に振り回されて腰痛難民になってほしくないからです。
イギリスではメディアリテラシーやヘルスリテラシーを育むために、
「根拠を尋ねよう」と銘打つキャンペーンが始まっていますが
(http://bit.ly/q2FWkY)、
日本でこのようなキャンペーンを実施するのは おそらく不可能でしょう。
医学教育の基礎を築いたウイリアム・オスラーの「医療はサイエンスに
支えられたアートである」という言葉を忘れないでいただきたいと思います。
どちらに傾くこともなく、常にサイエンス(エビデンス)とアート(患者の状況・
患者の価値観・治療者の技)のバランスを考えていただければ幸いです。
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