こばし鍼灸(掃骨)院 の日記
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#1.《臨床報告/コマさん物語》・線維筋痛症
2020.09.16
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《久しぶりにコマさんがやって来た❢》H31(2019).3.30(土)
長らくご無沙汰だと、何かあったのかなぁ? よほどお悪いかなぁ?
と心配になってしまうものだけれど、「ちょっと疲れたので全身の調整を…」
と言う事でやれやれ。
「ここの処、糖質のことも勉強して、やわらかな括りだけれど実践している」と。
その努力が報われてか、かつての最悪な体内環境とは打って変わって、
数回のノックで深部のコリがサラサラとほぐれて行く。
かつて難儀した殿筋の異状も今回は主訴も無くて、標準の治療でバッチリ。
「これからは季節の変わり目に、ちょこっと顔を見せてね~」とお願い。
――線維筋痛症の症例についてお訊ね下さった方にーー
もう10年以上も前(H21)の事。当時Yahoo❢掲示板の《治療、療法》の
項目に【ヘルニア治療をされているかた】と、呼びかけるスレッドが有りました。
ボード主は、「現在ヘルニアで闘っている方に、ぜひ読んで頂きたくて
このスレッドをたてました。」とその主旨をのべ、救急車のお世話に
ならざるを得なかった自らの体験と、納得の行かない手術からどのように
エスケイプしたかを語り、同じ苦しみを持つ方々の寄る辺となって行ったのでした。
「へルニアだ」「脊柱管狭窄症だ」「線維筋痛症だ」「手術だ」と
言われながらも、良くその痛みの本質を見極め、苦痛と闘い、納得の行く
治療法を探求。理解あるドクター(加茂 淳先生)のもとで良く学び、
“硬化した筋肉こそ痛みの真犯人であり、被害者でもある。”と気付いた
若い患者グループ。
彼らが見出した治療法が、トリガー ポイント“注射療法・鍼療法
(現在はFasciaリリース注射療法・鍼療法として展開中)“でした。
自らの体験を通して語り合い、支え合い…「安易な手術に走らないで」と
呼びかけ、提案した彼ら。
信頼のおける資料も満載で、私も随分啓発されたものです。
その掲示板も3,000通を超えるやり取りの末、若者たちは
夫々の社会へ復帰…。ひとまず使命を終えたこの掲示板は、自ずと
フェイドアウトの形となりました。
辛うじて、私のパソコンに残っていたものが、このBOARDで
九死に一生を得たmarbles_komaさんと、ボード主Masa-sanとの
メールのやり取りです。
上手くいくかどうか解りませんが、『コマさん物語』として
書き出してみましょう。
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それは、平成21年のこと。
痛む身体を、「椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛です。
手術しかありません。」と告げられたコマさんが、
【Yahoo!掲示板-治療、療法-ヘルニア治療をされているかた】に
出会いました。
そのやり取りは、その後60数通に及んでいました。
拾えるものをアップして、コマさんの経緯を追ってみたいと思います。
★ コマさん物語 ★
≪はじめましてMasa-sanさん≫
marbles_komaより 2009/3/24 4:10
とても親身になってレスをされてらして、
大変感銘を受けております(^^)。
坐骨神経痛(?) に悩まされています。
昨年(H20)8月、階段を滑り落ち、左尻を強打しました。
打撲痛が消えた後に、左脚に痺れとひきつる軽い痛みが現れました。
しかし、生活に不便はなく、相当な強打だったから自然治癒には
時間がかかるだろうなと放置。病院が好きでないもので。
それでも、今年(H21) に入って症状が強くなってきたので、
自然治癒を諦めて整形外科へ。
『椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛』の診断を受けました。
コ マ: 「もの凄い強打で、筋肉が痛(傷)んだのでは?」
医 師: 「筋肉はそんな弱くありません。元々ヘルニアを
持っていたのです。打ったのは無関係。ヘルニアは完治が難しいです。
一生付き合わないといけませんよ。症状も大したことないから
薬飲んでみて。」
一生って…。予想外の診断に落ち込んで帰宅。そこで家族に話した所、
心ない暴言を浴びせられ、さらに落ち込んでしまい、翌日から症状が
加速しました。
左尻から腿にかけてと、くるぶし、つま先の痛み&痺れ、そして
直立出来なくなったのが先週。
これはヤバいと別の整形外科へ行きました。
MRIでヘルニアが確認出来、同じ診断が下り「3回硬膜外ブロックをして
治まらなければ、手術だね。」と言われました。
手術は出来ればしたくないなあと思い、ここ(ボード)に辿り着きました。
目からウロコ、本当の病名が判りました。お尻、カッチカチですもの。
今日初めて硬膜外ブロックを打ち、ましになりましたが、まだまだ
痛みは残っているので、TPへの注射か鍼で治療したいと思っています。
大阪でMasa-sanがご存知の所があるようでしたので、
差し支えがなければ教えて頂きたいのです。
携帯からの書き込みで読みづらいと思います。申し訳ないです。
marbles_koma さんへ^ ボード主より 2009/3/25 2:43
➡こんばんは~^^ご来訪、ありがとうございます^^
>とても親身になってレスをされてらして、大変感銘を受けております
➡ありがとうございます^^暇人のようです( ̄ ^  ̄)
>坐骨神経痛?に悩まされています。
➡私と一緒ですね(><
>『椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛』の診断を受けました。
コ マ:「もの凄い強打で、筋肉が痛(傷)んだのでは?」
医師:「筋肉はそんな弱くありません。元々ヘルニアを
持っていたのです。
➡見解は…marbles_komaさんのおっしゃる通りではないかと
思います^^ 筋肉の微損傷で、筋痛症になるようです^^
例えば自動車事故で、ムチウチに…と云った具合に。
その後も痛みが退かなければ整形へ。レントゲン・MRIを撮って…
診断は、ヘルニア!
➡これは、自動車事故でヘルニアになったのでしょうか?
違うと思います^^
ヘルニアは前からあって、特に痛みを出していなかっただけ。
原因は、筋肉の微損傷により筋痛症が発症したのではないかと思います^^
➡元々ヘルニアを持っていた…なのに痛みは無かった。
どうしてなんでしょうね^^
生理学ではすでに解明されていて、正常な神経の圧迫では、
痛みは生じない ようです^^
> 医師:ヘルニアは完治が難しいです。
➡『ヘルニアだと手術をしないと治らない理論』…ですよね^^
『ヘルニア所有者の統計と、痛みの統計が一致しない』
という統計の出ている医療関係のHPがどこかにあるのですが……。
1時間ほど探しても見つからないので、今度見つけておきます^^
> 一生って……。予想外の診断に落ち込んで帰宅…。
➡ヘルニアは、痛みと無関係ですよ~^^
必ず、治ると思いますので^^ そこは、安心をしてください^^
> そこで家族に話した所、心ない暴言を浴びせられ、さらに
落ち込んでしまい……。
➡多いですよね、長期間に痛みが及ぶと仕事にも家庭にも影響でますし。
> MRIでヘルニアが確認出来、同じ診断が下り、
「3回硬膜外ブロックをして治まらなければ手術だね。」と
言われました。
➡下肢痛や臀部痛、そして痺れには神経ブロックは効果が低いと
思います^^
私も、硬膜外3回・仙骨3回・神経根1回やっています^^
打った後、数時間だけですラクなのは。
半身が完全に麻痺している時だけです^^
➡余談ですが、麻痺と痺れについて。
医師に、「このまま、痺れが悪化すると、歩けなくなるかも」とか
言われませんでしたか?
多くの医師は、麻痺と痺れの区別がつかないようです。
麻痺とは、神経ブロック注射後の状態で『力が入らず、触っても
痛みを感じない』
痺れとは、今の状態。もしくは正座の後の足の様な…痺れ…と
言った具合。
≪marbles_koma さんへ^^≫
ボード主より(続き)2009/3/25 2:44
>手術は出来ればしたくないなあと思い……。
➡まったく必要ないと思います^^賢明だと思います^^
まわり(はっきりとは書けないので)の掲示板を見て下さい^^
――手術後に、痛みと痺れの取れない方とか居ますよ~^^
そうなると「原因はヘルニアではなかった」とか、「手術が
上手くいっていない」とか……理由はいつも後づけですね^^
>大阪で、Masa-sanがご存知の所があるようでしたので、
差し支えがなければ教えて頂きたいのです
➡大阪K鍼灸院――ここ(ボード)に、何回か来ていただいている
ms_acupun先生の治療院です。
通常の鍼と違い、トリガーポイント鍼の施術のようです^^
高い治療技術を持っていると聞いています。
➡京都E鍼灸整骨院――先生自身が、筋痛症の患者でもありました^^
だから、患者の痛みや、どこを治療すると、どう効果がでるか
熟知していると思います^^
➡西宮Y内科クリニック――ここは、TP注射です。
以前、ここ(ボード)に来て手術考えていた方が、Yクリニックに
行って完治しています^^
鍼灸の場合は、一度、保険診療について相談してみるのも
良いと思います。
一応、参考として載せました。どこも、私は、治療を受けていませんが、
治療効果が高いという病院です。
ネットで、無作為に検索をしたところではないので、それは安心して
ください。ただ、治療に関しては、自己責任でお願いいたしましす。
早期治療が、とにかく、効果が高いです^^ 痺れがあるので、
少し時間がかかるかもしれませんが…がんばってくださいね^^
≪行ってきました。≫ marbles_komaより 2009/ 3/25 19:51
Masa-san、レスありがとうございます。
時間をかけて『資料探し』までして頂いたようで、感謝ですm(__)m
早速、K鍼灸院へ行ってきました。
丁寧な説明で、鍼は初めてでしたが不安を感じる事もありませんでした。
ここの掲示板の話もしましたよ(^.^)加茂先生の患者さん達は
本当に良く勉強されていると
感心されていました。
鍼が曲がる程、腰とお尻がガチガチでしたが、随分とほぐれました。
家族に支えられて行きましたが、帰りは一人で歩けたんです❢
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私(こばし)が拾える記録は、残念ながらここまでです。
が、カルテからは拾えますので、コマさんのご来院から職場復帰までを
レポートしてみましょう。
同じ悩みを持つ方々の指標になればという強いお気持ちから、
カミングアウトのご同意を頂いていますので。
★コマさん物語のまとめ★
コマさんが 「初めまして。」 と、Masa-sanのボードに
入ってらっしゃったのが、平成21年3月24日午前4時10分。
つぶさな対話は略しますが、つらい現況・経緯・希望などを、
ボード主に相談されました。
翌3月25日午前2時44分
ボード主はここで、病院・治療院を紹介しています。
同日午後4:00、さっそくのご来院です。
その時の姿は……見目麗しい母上の両肩に、後からズシリと
ぶら下るように、痛みに耐えて不機嫌な顔の娘……それも何とも
“しどけない”グレーのジャージ姿…おしゃれ心など微塵もない。
これが我々の出会いでした。
1診 3/25 ウェスト(大腰筋・腰方形筋)を含む左下肢帯全域の圧痛・硬結。
その痛みに伴う可動域制限。
用鍼は寸6-3番~2寸-8番。全身的に単刺的掃骨鍼法。
2診 3/30 姿勢は、痛み回避のためへっぴり腰だが辛うじて自立。
施鍼時LTR(Local twitch response)頻発。
圧痛・硬結・自検で全身的に単刺的掃骨鍼法+軽く局所掻破 (雀啄術)
3診 4/08 「昨日(4/7)からメチャクチャ痛みが出ている。」同様に治療.
4診 4/14 第3診(4/8)後、4/9~4/10はラク、その後徐々に悪化。 同様に。
5診 4/20 大臀筋、梨状筋、双子筋等、くっきりと見える圧痛・ 硬結掻破。
6診 4/27 まっすぐ立っている。前回治療後悪化したかに見えたが、
急速に改善。現在、鼠蹊部(腸腰筋停止部)に自覚症発症。
前回に同じ。
7診 5/08 スカート姿でシャキッ。
メイクもし、電車で1人で来たと言う。美しい。
坐骨結節由来の筋・靭帯~鼠蹊部、目立ってきた左顎関節~側頸部の
自覚症も処置。
8診 5/15 快調。 残骸処理前回に同じ。 顎関節~側頸部右に自覚症発症。
9診 6/01 残骸処理、前回に同じ。 顎関節~側頸部左右予防的に。
10診 6/16 前回に同じ + 両頚肩背部こり処理。
11診 7/10 前回に同じ。
12診 7/21 前回に同じ。
13診 8/18 前回に同じ+左腸骨稜(腰方形筋起始部)痛みが
取れにくいため刺絡。
14診 9/11 前回に同じ。
15診 10/20 社会復帰。
骨格筋のバランスを取り、全身的に疲れをとる。
16診 11/14 治療目標前回に同じ。
17診 12/12 治療目標前回に同じ。
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1~2ヶ月目は週1回、2~6ヶ月目は月に1~2回で健康圏に戻り、
H22年になってからは、アンバランスな筋肉を見つけては時々調整に
いらっしゃいます。
上記の治療ペースは、ご自身の身体からのサインをよく聴き取って、
殆どはご自分で設定されたものです。
コマさんの場合、発症の時期や原因がはっきりしていて、
鍼灸・刺絡療法への到着が比較的早かったこと、ボードを熟読し
ボード主の経験も確かめた上で、
短期決戦の覚悟でそれなりの施術法を選ばれたことで、私も対応に
躊躇は有りませんでした。
(私はどちらかと言えばハードで、外科的な考え方を致します)
一方ボードを熟読したとはいえ、この時点での全参加者の書き込みは、
既に900通を超えていました。
私(こばし)も通読してはいましたが、コマさんはパソコンの前に
座る事も出来ない状態からのスタート。
ボード主やボードの仲間たち(同疾患体験者)とのメールのやり取りの中に、
這いつくばって携帯を握りしめるコマさんの姿などが垣間見えたもの
でした。今はすっかりお元気になられ、曾ての不格好な姿を
(ゴメンナサイ)共に笑う事が出来て、私も幸せです。
このようにして、我々施術者は皆さまのパワーを頂くのですね~。
本当に有り難いことです。
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オババの独り言
「ヘルニアは腰痛症の真犯人でないばかりか、白血球の一種
マクロファージに喰い潰されて、自然に消滅することが多い」と
言うことを、やっとやっとNHKの番組が報告した。
言うまでもなく我々の療法は 、『お手上げしている生体に直に
働きかけ、彼ら(マクロファージや線維芽細胞たち)が、より働きやすい
内部環境をいち早く構築しているんだ』という事実を、何時、誰が
定説にしてくれるんだろう。
「このことを証明できれば、ノーベル賞は無理でも医学界に名を
残すことが出来るだろう」と言う識者の見解もあるのですが……。
トッピンパラリのぷう(おしまい)
文責 こばし鍼灸院 研珠庵アキュ 小橋(本多)正枝
参考資料 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《線維筋痛症》自己診断アプリ/大久保義則Dr.提供
海外で本症による休業が報じられ,10年前の女子アナ自殺報道の時と同じ誤解が広がる恐れがあります.
療養には正しい知識に基づく冷静な判断と,豊かな経験が生みだす暖かな真心が必要です.本アプリが原因不明の痛みにお悩みの皆様がご自身で診断される一助になれば幸いです.但し、このアプリは試作品で、医療サービスではありません.自己診断の参考になさってください.
Facebookより借用(投稿日:2017/10/29)
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性別 : 女・男 年齢 才
Q1.この症状で通院中ですか? ――――――――――
* 選 択
・まだ受診していない
・近くのクリニックに通院中
・近くの病院に通院中
・遠くのクリニックに通院中
・遠くの病院に通院中
・通院するのをやめた
・今まで通院した施設の数は?
選択 : 0軒 1軒 2軒 3軒 4軒 5~9軒 10~19軒 20軒以上
Q2.発症時期 おおよその日付 年 月 日頃
Q3.「線維筋痛症らしさ」を示す項目
ACR2011の表現をやわらかくしました.
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/FMS/CPGs2013_FM.pdf
《詳 細》
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過去1週間の痛み① 右(1) 左(1)
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・あご
・かた
・にのうで
・まえうで
・もも
・すね
・おしり
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過去1週間の痛み② ない ある
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・くび(1)
・むね(1)
・おなか(1)
・せなか(1)
・こし(1)
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ない(0) 少しある(1) ある(2) ひどい(3)
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・つかれ
・起床時不快感
・考えがまとまらない・物忘れ
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ない(0) ある(1)
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・下腹部の痛み・ひきつり
・気がめいる
・頭が痛い
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以 上
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電話 06-6302-0108
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