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キズを以って傷を制す。線維芽細胞たちの再性能を最大限に活かす《鍼は世界で最も小さな外科処置》

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こばし鍼灸(掃骨)院 の日記

7-7.あるドクターからのエール(2009)←#16.

2022.06.26

                                                                      鍼灸院の口コミサイト「しんきゅうコンパス」 リンクボタン
 《 針治療は世界で最も小さい外科処置》 
 これは2009年、ある歯科Doctorに頂いたメールです。

かつてのYahoo!に掲示板があり、トリガーポイント療法を熱く語る先生がありました。筋・筋膜について薀蓄を傾けていらっしゃるそのコメント欄はいつも賑わっていました。
 中でも、あまりにも当を得て際立つスレッドがあり、私は矢も盾もたまらず割り込ませて頂いたのです。すると間もなくフロア側の先生が、次の様なプライベートメッセージを下さいました。

《 あるドクターからのエール 》~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
「私は極 普通の歯科医師です。 ですから私の意見は“世間話”程度の信頼性しかありません。  
私は臨床研究の信頼性を評価する方法を知っていますが、自分自身が臨床研究に携わっている訳ではありません。
 さてトリガーポイントとは何か。 これを完璧に説明できれば、ノーベル賞は無理でも医学の歴史に名を残すことが出来るでしょう。 
 トリガーポイントでは筋肉の拘縮があり、不思議なことに同時に活動電位が検出されています。最大限に縮んでいるのにさらに縮ませる活動電位が出ている。これは異常な状態です。この異常な状態の説明として、私には「エネルギー危機説」が最も分かりやすい説明だと思います。 もっと簡単に言うと筋肉組織の局所的『代謝障害』です。この正常な代謝が出来ない状態は先生が仰るように『血流障害』と考えるのが最も妥当だと思います。 
 では針がどのようにして血流障害を改善するのか? これも完璧に説明できればプチノーベル賞です。 私たちが知っているのは針がトリガーポイントにヒットすると、事実として血流が改善するということです。以下はあくまでも仮説です。 

 筋力トレーニングの理論では筋肥大という現象が次のように説明されています。  
『日常生活より大きな負荷のかかる運動を行うと、筋線維に微細な損傷が発生する。運動直後や睡眠時には成長ホルモンが多く分泌されており、適度の休息及び栄養補給を行うと体内の栄養素を使って筋線維が修復される。このとき筋線維が肥大し、運動前より大きな力を発揮できるようになる。これを繰り返すと筋量を徐々に増加させることができる。』    
 これが正常なプロセスだとするなら、針治療はトリガーポイントの筋線維を人為的に損傷させることで、正常な筋線維の修復プロセスに戻していると考えることができます。世界で最も小さい外科処置です。これが私の考える『針によるトリガーポイント治療』の基本的なメカニズムです。あくまでも仮説です。まずここまでです。    

 次に、私はあのブログがIt先生のブログかどうか分かりません。
  私はIt先生はTP研究の第一人者だと思います。世界に通用する研究者です。非常に優秀ですし、EBMの原則を十分理解しています。

 さて次は口腔疾患との類似ですが、これは少し無理があります。 虫歯も歯周病も細菌が原因です。細菌による疾患です。TPは細菌とは関係ありません。ですから一見似ているかも知れませんが、全く別の疾患です。ただ私が思うに、昔(私が子供の頃)歯周病で歯が無くなるのを『老化現象』と考える歯科医師が沢山いました。しかし現在では老化現象では無いことは明らかで、適切なケアが成されれば死ぬまで自分の歯を失わず自分の歯で食事をすることが出来ます。
 一方、年齢とともに体の節々が痛むのを多くの人が、いまだに老化現象と考えています。
 私は年齢とともに体の節々が痛むのは筋筋膜痛だと思います。故に筋筋膜痛の治療が適切に成されれば生涯ピンピン暮らせると思います。ピンピンコロリです。寝たきり老人は居なくなると思います。 

 以上私の仮説を述べました。この内容を貴方がブログ等で公開するのはご自由です。私は私の文章に対する著作権を放棄しています。但し「ランフォードの孫弟子」の仮説であることは明記してください。これは基本ルールです。
 では先生がTP治療に日々邁進なさることを心から願っております。    
                            (住所およびサイン )  ランフォードの孫弟子  」

《私の思い》~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 私は常々、我がコミュニティ「掃骨鍼法」の理解者はきっと歯科領域の方であろうと考えていました。偶々、It先生のブログ欄で巡り合った氏が、余りにも筋肉に詳しいのに驚き、不躾ながら問いかけを致しました。
 また、氏はとても謙虚に名乗って下さっていますが、この方は専門領域のみならず、論文を原文で読みこなし、ニュアンスまでも読み取り、EBMの何たるかを熟知した方です。ですからこのエールは、私の生涯の宝もの。2009年のメールボックスを整理するに当たり、仕舞い込むのがもったいなくて、ここに公開させて頂きます。  acupun深謝。 
P/S  まだこの時点では、Fasciaについても口腔疾患が全身に及ぶことも、今ほど解明されていませんでした。(もしくは情報が行き届いていませんでした。) 従って、ランフォードの孫弟子先生の後段のご意見も、今なら違って居た筈です。現況、ご連絡がつかないのが至極残念です。

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★この様に多くの皆さまに励まされ、背中を押され、あるいはお尻を叩かれて、3つ目の元号《令和》に繋がれて参ります。お陰様で強くなりました。そして、心の面でも技術面でももうブレルことはなさそうです。

《もう一つブレない事の裏付け》
今は筋膜を含むFasciaのことや、口腔と全身疾患の関わりが解明されてきていること。
  ★4-2.《虫歯・歯周病モドキは何処にでもできる》(2022.6情報追加)


――我が家の治療についての説明はこんな風です。
「私の考え方は至極単純で、『身体がため込んでしまった異物を取り除いて排泄を促す』の一点につきます。筋肉に関して言えば、荒れ地になってしまった畑の、土づくりをし直すイメージです。
 我が家の患者方も線維筋痛症であったり、ヘルニア手術失敗の後始末だったり、ハードなお仕事で損傷する節々のメンテナンスであったり……理由は様々ですが、とにかく解して→組織から洗い流して→体外に排泄。そして組織の再生を待つ…。頓服・痛み止めでお茶を濁すのとは違って根気は要りますが、我が家はこうして患者方と二人三脚しています。






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