こばし鍼灸(掃骨)院 | 日記 | 4-1.《骨棘は何処にでもできる》

キズを以って傷を制す。線維芽細胞たちの再性能を最大限に活かす《鍼は世界で最も小さな外科処置》

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こばし鍼灸(掃骨)院 の日記

4-1.《骨棘は何処にでもできる》

2022.05.08

                                                                      鍼灸院の口コミサイト「しんきゅうコンパス」 リンクボタン
《綱引きをする筋と骨格》
 例えば筋をロープとすれば、ロープは関節をまたぐ形で綱引きor梃子or滑車…の働きをする。
当然、両端にはアンカーがいて、間には参加者がズラ~リ。

 アンカーは筋と骨格を結わえ付け、参加者もロープがバタつかないように骨を掴んでいる。
 この姿から考えて「どこが?」「誰が?」と問われれば、ロープも傷むだろうけれど、
「ロープを握りしめているヒトの手のひら」と答えざるを得ない。
そしてこの現象は、生体のどこに起きても不思議ではない。骨棘の発生につながると想像する所以です。


《足底筋膜炎について》
「軟部組織の痛みと機能障害」(医歯薬出版1993)の中でRene Cailliet,M.D.は、足底筋膜炎(踵骨棘)の発生機序について
『筋膜腱部に対する骨膜への牽引が骨膜を踵より分離させ、その結果生じた炎症が痛みをひきおこす。
炎症組織による骨膜下侵襲で、のちに石灰化が骨棘となる。これは無症状に経過することもある。』と述べています。
      


➤冒頭に述べたように、身体の動きを考えてみますと筋肉は1乃至2の関節を跨ぐ形で骨に根を張り、ギュッ~と縮むことで関節の向こう側の骨を手繰り寄せる。
➡この構造上、関節が滑らかに屈曲するためには、ある筋が収縮するとき拮抗する筋は素直に伸びる必要がある。つまり、どの筋肉も強靭で且つ柔軟でなければならない。

➤体重のおよそ50%は筋肉、同じく20%が骨…身体の70%が身体を動かすための装置「運動器」といわれる。
➡日々の多彩な生活動作(ADL)や運動によるインピンジメント、事故等による理不尽な衝撃に晒される『筋肉』と『骨』の接合部分に起きるトラブルは、Rene Cailliet,M.D.のいう『足底筋膜炎(踵骨棘)の発生機序』等しい。
 よって、この現象は身体の何処に起きても不思議では無い。
➤このことは口腔内におきるトラブル(齲蝕・歯周病・歯石沈着)に、とてもよく似ている。
 かたや『動くための牽引』、かたや『噛むための打ち込み』。真逆のように見えますが「軟部組織と固い組織の接点で起きるトラブル」と言う点では同じ。
 決して気のせいではなく、そこには “何か” が実存しています。
⇒我々の触診や鍼の技術は当然のことながら、皆様の自覚症や「どうした時に、何処が…」と言う動きの中に見出される感覚は侮れません。
➤『掃骨鍼法』は、こうした深部に起きた異状を、生体にリセットして貰う為に開発されたものと思われます。
⇒よってご提案……皆様はお身体と二人三脚、我々は皆様と二人三脚。共々にスクラム組んで、お身体のトラブル解決(病巣のお掃除)して参りましょう。
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【骨棘・石灰沈着関連資料】
①《モヤモヤ血管Dr.奥野裕二先生/膝を例に》
 =炎症を起こし血管が侵入すると、そこに石灰化・骨化が起きる❢」(5分45秒のところ)=
 《ジャンパー膝・膝蓋腱の炎症(10:18)》2019.11.25

② 骨蕀は何処にでも
《頭蓋骨にツノ状の隆起》NEWSWEEKJAPAN. JP記事
若年層の頭蓋骨にツノ状の隆起ができていた。その理由は…
           

➤「嘘でしょ!」と思っていたけれど、我が家にも本当に在るのです。
が、この記事につなげて考えるにはかなりの時間を要しました。治療法も書かれていませんしね。
けれど、ここでも『砕いて砕いて、削って削って、生体と二人三脚する』ことで対応できることが解ってきました。
             
《The Musketeers》の境地ですが、扁平な特殊鍼”小針刀”1.2mm径(80mm長)で、うず高く積もった石灰沈着を砕き、削る。
この患者さんの場合、トンネルの向こうに灯りは見えてきましたが、抜けきるのにどれくらい掛かるかは定かではありません。
生体に再構築して貰わねばなりませんから。
 ※ この写真の下の2本は0.6mm径の”刃針”。主に解す技術に用います。

 
③《炎症から石灰化まで/日本整形外科学会》
 ★111. 《石灰沈着性腱板炎》日本整形外科学会


④ JFIR 日本病巣疾患研究会は、上咽頭の慢性炎症が全身に影響する事を証明していらっしゃいます。
 また下の画像は、日々使い痛みをして慢性化してしまう全身の筋の起始部・停止部・繋留部の損傷でも有る訳です。
シンチグラフィーで見る全身症状(堀田修先生のご本より借用)
 ここには、《鼻腔・口腔の疾患が及ぼす関連病巣疾患》として紹介されています。
➤しかし我々鍼灸の立場からは、骨格上に黒々と示される諸関節の影がADLによって酷使される運動器のターミナルに相当しているようにも見えます。
 我々にとっても、日々の臨床に欠かせない治療ポイントであり、他職種連携の一翼を担うべき領域だと考えます。
 ちなみに、一見一本のように見える脊柱起立筋も、椎骨の一段一段を縦横斜めに繫ぎ止めて大きな仕事をしている。
     (竹内京子先生の《骨盤ナビ》より借用)

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 理想の身体とは《痛み・不快感が無く、支持性・安定性に富み、良く動く骨格アライメント》。
その為に《シコリは潰し・癒着は剥がし・沈着物は削ぎ落とし……サビを取って油をさす》
 
Cf.――Stone Washer’s Journalの記事――
《線維芽細胞とは?》 iPS細胞の原料にもなり、皮膚・筋肉・骨にまで変わる 人が元来持つ万能細胞

 リズナブルなキズが、有害な傷を制する《掃骨鍼法/骨格ケレン》の所以です。
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《山内常人先生(整形外科医)のワンポイントアドバイス》
【筋肉は内臓の為の道具ではない。筋肉の為の内臓である❢】
➡ 内臓は筋肉の為にある❢ 
A.《運動の必要》
前提: 筋肉の強い動きに、内臓がすぐに追従することはあっても、内臓の動きに速やかに筋肉が反応する事はない。
➡とりわけ緊急時には、❝ 即座に・無条件に❞ 反応せねばならない筋肉は体重のおよそ5割といわれ、それを受け止める骨は約2割。
 体重の6~7割は動くためにあり、内臓・脳などの諸器官は、その中に護られている。この割合は故有ってのことなんですね~❢


memo #7.+#51⇒

 
4-1”.【何処にでも起きる足底筋/腱膜炎モドキ】2013/04/18の記録 旧No.74



 

 

4-1.《骨棘は何処にでもできる》

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